密教2585 【自殺霊の行方②】

「いつの時代も生き抜く事は多難であるが、最後の日まで生き抜く事に意味がある」
朝まで元気で見送ってくれた妹が、夕暮れ刻には冷たい屍になって居ようとは想像も出来ないのは当然である。
その後の兄は妹の死を受け入れられず、悲しみ苦しみ心を掻きむしる想いで居たのである。
その亡くなり方は割愛するが、兄に取っては耐え難い内容だったのである。

昨夜、談笑まじりで教えた事がまさか妹の自殺手段に用いられるとは、想像だにして居なかったのは当然の事であろう。
しかし、現実は残酷である。

兄は、自分を責めた。

自分がつまらない事を教えたばかりに、妹は逝ってしまった。
後悔と様々な想いが交錯し、何も手が出ない出せない状況に自らを追い込んでしまったのである。
その状況を案じた友人が彼を私の寺に連れて来られ、相談を申し出られたのである。

私がお会いした時は正に放心状態であり、何を言っても聴くことが出来ないで有ろう状態だったので、私は何も言わずある法を「薬師如来法」修する事にしたのである。
傷つき疲れ果てた人に必要なのは薬であり、栄養「心の薬」である。

先ずは彼に聴く余裕を持たせねばならないと考え、選択した密教秘法である。
其れが功を奏し彼が落ち着きを取り戻し、相談を受け入れる姿勢を取り戻したのでゆっくり話し始めたのである。

霊視の結果、妹さんの自殺は結婚まで約束した彼の突然な裏切りであった。
彼の家では親も居ない家の娘を家に迎え入れる事は出来ないと言い出し、強く結婚を拒んだ挙句どうしても結婚すると言うのであれば親子の縁を切るとまで彼に迫ったのである。
困った彼は、彼女と別れる決意を固めたのである。

両親が他界して兄と二人暮らしの彼女は、これ以上、兄に心配をかけたく無いと思い詰め自殺に至ったのである。
しかし其れは、大きな間違えであると言わざるを得ない。

大変な罪に成る事を、彼女は理解して居なかったのである。
「次回、真相に迫る」

緊急事態条項は「人間」を守るためのものでは ありません。「国家」「体制」を守るために憲法を ストップし、「人間を犠牲にする」ものです。

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