密教2579 【私の原点②】 : 金剛山赤不動明王院　密教

密教2579 【私の原点②】

その頃の私に訪れた事象は二十歳の若者では到底、乗り越えられる筈が無いような事の連続でした。

私は絶望感を胸に東京の地を去り日本各地を流転し、まるで乞食の様な生き方に身を任せて居たのである。
そしてこのままでは行けないと考え仏門の門を叩いたのであるが、そう簡単に受け入れられる筈も無いのは当たり前である。
学歴も無い、帰る家も無い、親族と言える身寄りも無い、無い無い尽くしの放浪者など誰が相手にしてくれる訳も無いのが当たり前である。
その後は様々な職業を渡り歩き、ある縁で会社に就職「武道具製作会社」能力を認められ部長迄に昇進したのである。
そしてある日に金田道跡先生に巡り合い、弟子として認められ僧侶の道に入れて頂いたのである。

「私が僧侶を志したのは？」
亡き父の最後が大きく影響したのは言うまでもなく、生まれ持った能力の制御が出来ないばかりか、その能力を持て余して居たのが最大の理由である。
金田道跡先生の門下に入る前に、私は先生に質問をしたのである。

「私が持つ能力を消したいのですが、どうすれば消えますかと尋ねると、先生はその能力がお前にとって不必要で有れば御仏の慈悲で消え去り、必要で有ればますます向上するであろう」と教えて頂きました。
あれから五十年、今では住職である。

人生とは正に、學びである事を実感して居る毎日で有ります。

然し乍ら霊界のお計らいは深く深遠なる教えで有り、此れを理解し忠実に遂行すればこの世「現界」は正に極楽浄土と化して次の段階へと進む事が出来るのに、何故、理解しようとしないのか？勿体無い事である。
この世は學びの場であり「一度しか得られ無いチャンスの場」、遊びを謳歌する場では無い。

帰れば解るが「霊界に」、其れでは遅いのである。
今の刻を無駄にせずに、學ぶ事をお勧めします。