密教2305 【憑依霊】

全ての憑依霊が霊障をもたらす訳では無いが、中には哀しい憑依もある。

例えば母を慕い帰幽する事が出来ない水子霊や、一家心中「自殺」で死んだが親子離れ離れで彷徨う霊も居るのである。
何故、死を受け入れられ無いのかは今迄に何度も書いて参りましたが、未だ理解に至って居ない現状があり、言い続ける事と霊的啓蒙が必要だと考える次第である。
生きて居る内に霊的學びを深める事はある意味、幸せへの道であり、自身の霊的理解を向上させる事は世を良くする事にも繋がる有用な事である。

「悩む方々」
憑依は長引けば長引くほど、絡まった糸の様にほぐすには時間と労力が必要に成り、本人も辛く苦しい日々が続き、霊に至ってはカルマを重ねる事と成るのである。
全ては原因結果だが、其れだけで片付けるには余りにも哀れであり理解の輪を広げて行く事こそ、必要では無いかと考える次第である。

「憑依の実例」
供養に訪れた方の背に憑依して居る親族の霊が訴える言い分を聴き、供養「説得」する時に複雑な気持ちに捉われる事が多々あるが、僧侶として上げる「供養」事は必須であり、悩む事もあるのは事実である。
然るに何故、霊が訴えるのか？

其れは様々だが、例えば欲が元で憑依して居るならば法力をもって調伏すれば容易い事であるが、逆に子孫を思って心配の余りの上である場合には両方を納得に導く必要があり、難航する場合は多々ある。

昨今の祈祷例を引用してお話しすれば、娘さんに亡き母が憑依して居る案件があった。

この事例の場合は悪でも無く善でも無い事例だが、両者に取って良く無い事例であり、祓うしか無い状況であった。
結果は憑依して居た母の霊も納得し帰幽し、娘である依頼者も平凡な生活に戻れる事であろう。

何よりである。
昨今の状況を観て危惧するのは、余りにも人間界が無機質に成って居る事である。

このまま進めば、取り返しのつかない事態が起こる事の予見があるからである。

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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