密教2190 【祟り】

祟りの本質は人間の身勝手が引き起こした霊現象であり、正しい心を持ち學ぶ者には無縁なものである。
殺せば殺され、盗めば盗まれ、欺けば欺むかれ、全ての悪意は己れに返って来るのである。

私がまだ修行僧だった頃に経験した事であるが、正に祟りとしか言えない事象を多数経験した。

此処からは実例を交えてお話しするが、地名、人名性別は割愛します。

①祠に纏わる現象
その祠は古く石造りの小さな物だが、何の為に作られたのか御祭神は何方かも誰も知らないが、願い事をすれば不思議と叶うと言われて居るが、粗末にすると祟りがあると信じられて居たのである。
祠には誰が供えたか分からないが、何時も綺麗な華が供えられて居る。

良い事である。

しかし何処にでも、罰当たりな者が居るものである。
ある日、祠の前を通りかかると、無惨にも打ち壊されて居るでは無いか。

周りの人達も騒然となって居るが、どうしたら良いのか分からないが本音であろう。
私がその時に視たものは、壊された祠に祀られて居た霊体である。

怒りの波動は強く、その怒りは祠を壊した実行犯に向いて居た。

その後、寺に祠の修復と供養の依頼があり、直ぐに石屋さんに修復を依頼し祠は復元されたのである。
奉職して居た寺でも、私に霊的能力が有る事は暗黙の内に知って居て、祠の供養も参加する様に言われて居たので、僧衣を付け加わったのである。

【其の後の異変】
村の実力者の子供【成人】に異変が現れ、一人は精神を病み一人は原因不明の病を発症し、残るは一人である。
親として、流石に心配に成ったのであろう。

寺に、相談に来られたのである。

住職に呼ばれ、私も同席する事に。

私は、ある提案をしたのである。
家を拝見したい。

勿論、全ての場所を見る必要があると言ったのである。

訝しげに私を見る父に対して、母は一言、好きな様に観て下さい。

自分が案内します。
善は急げと言わんばかりに、奥様は今から御願いします。

ご主人も、たじたじである。

勿論、私は伺いました。
御宅に到着して最初に感じた事は、やはりである【怒りの波動】。

次々に部屋を拝見して最後に納屋を見た時、此れだと思った場所を手で探り出て来た物はバットである。

其れも、傷だらけの状態である。
【長文に成るので、次回にお話し致します】

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