密教2143 【意思喪失】

意識喪失は全身を麻痺して居る状態を指すが、意思喪失は意識が有りながら、本来の意志とは別の行動に走って仕舞う事を指すものである。
一般的には理解不能かも知れないが、そんな人が増えて居るのも事実である。

例えば、結果が最悪に成ると解っていても犯して仕舞う犯罪行為が、何故減らないのか？

犯罪を考えれば解るが、普通の考え方【意志意識】が定まって居る人で、犯罪に走る者は居無いであろう。
犯罪事例を挙げて言えば、幼い子供を放置して死に至らしめた事件は過去にも沢山あるが、それ此れも死んで仕舞うであろう事は誰にでも解る事であるにも関わらず、この手の事件が何故絶えないのか？

様々な分析が出来るかも知れないが、その時の意思が人間的な感情も無い、単なる生き物だったのである。
要る要ら無いから始まり、人間を物体と捉え、行動して居るのである。

但しそんな者ほど、自らが好きと思うものには異様な執着を示すのである。
そしてそのものが、己が意思に背けば憎しみを抱き、そのものをも排除しようと試みるであろう。

正に、意味不明な人格である。

上記に氣付かず日々を暮らして居れば、やがて正しい意思は失われて心の奥深くにあるものの支配を許す結果に陥って仕舞うのである。
人間と生まれ悪の内に生き悪の内に死にたいと考えるのであれば、止めはしません。

但しこの世だけが全てでは無い事も、覚えて置く必要がある。何故か？

意識は未来永劫、消滅する事は無く、残り続けるからである。
例え自らの意思で死を選んでも、意思意識を消し去る事は出来無いのである。

どうせ生きるのであれば、自らの意思で生とは何か死とは何かの答えを探し、より良い人生を楽しんだ方が得策では無いだろうか。

楽しい未来は自ら作り出すものであり、幻では無いのだから。
精神を歪めて仕舞うのも自分であり、正しい道に修正して行くのも自分なのである。

迷った時こそ、學び自らの中に納得の力を養うのである。

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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