密教2116 【除霊と浄霊】

長年、僧侶を続けて居ると様々な案件に出会う事があるが、余りにもやるせ無い事案もある。

例えば母と子に纏わる事例などは、供養法を修する拙僧の胸も熱く成る事もある。
その案件は、幼い子を残し他界した奥さん【お母さん】の慰霊をご主人から依頼された事から始まりました。

【ご主人談】
妻は子供を産んだ直後に亡くなり、我が子をその腕に抱くことも無く逝ってから二年が経ちますが、いまだに子供の側に居る様で仕方がないのです。

何故かと言えば、二歳に成る子が空間を見て手お伸ばし泣いたり笑ったり、自分【ご主人】には見えないのですがもしも妻が浮かばれて居無い様で在れば、どうすれば良いのか教えて欲しいと言う依頼である。
お子さんも小さいのと、霊査をするには相談者の家で行った方が分かり易いので、日にちを決めて私が伺う事にしたのである。

御宅に伺い、安心した事があります。

ご主人の実家であり、ご両親と妹さんの五人家族で妹さんも御両親も優しい方々で、お子さんも可愛がられて居る事はお会いした時点で私には解りました。
先ずは、ひと安心である。

家の中に案内され皆さんが質問したそうであったので、先ずは質疑応答をさせて頂き、皆さんの気持ちがほぐれた頃合いを観て本題に進んだのである。

仏間に案内されたが此れは普通の成り行きであり、拒む必要も無く当然の事なので御受けして、次に進む事にしたのである。
次にお子さんが、何時もを過ごして居る部屋に行ったのである。

やはり、此処である。

敵意では無いが、余計な者が来たと言わんばかりの念が向けられたが、仕方が無い事である。
しかしこのままにして置いては可哀想なのは、霊に成った母親の霊なのであり、お子さんの為にも愛して居るご主人の為にもならないのである。

何故か？

共依存を産む結果に、成るからである。

亡くなったお母さんは死を受け入れず、いつまで経っても霊界に帰れず現界を彷徨う事に成り、魂は浄化される事が無い日々を過ごす事に成るのである。
素直に死を受け入れ帰幽【霊界】すれば、我が子の行く末も愛しているご主人の事も見護る事が出来、自らも魂の向上が進むのである。
その逆に現界にとどまり浮遊する事は、結果的に魂を汚し氣付いた時には帰る事も出来無い【自力では】状態に陥ってしまうのである。
私も、人の子の親である。

気持ちは、痛いほど解る。

しかし霊的摂理に逆らう事は、何人も許されないのである。
長文に成るので、続きは次回にお話し致します。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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