密教2104 【意識の向上と意識低下に依る作用】

意識の向上は自らの為である事は言うまでも無いが、意識の向上が霊性向上にも繋がって居る事を御存じだろうか？

霊性向上は人間に取って最上の課題であり、幸せを引き寄せる最良の方法でもある。

例えば仕事に関して考えれば、意識の向上は自らの仕事をも向上に導き、従って公私に渡り順風満帆な人生が迎えられるのである。
そして意識の向上は上記に留まらず、様々な徳を得る事に繋がるのである。

意識が高いと云う事は悪を嫌い、善を好み弱き者を助け慈しむ事が自然に出来る者と成るのである。

上記の真逆が、學ばず本能【煩悩】の赴くままに生き前世で得た學びをも忘却し、意識の低下にも興味も関心も無い人生の末路は哀れである。
しかし其れは自業自得と言えるが、それだけで済めば良い方である。

年老いて死を迎え幽界に帰り、自らの不勉強を後悔するだけなのだから。
始末に負えないのが、自らの不勉強を棚上げし今、自分が不幸なのは運が無いからだとか不公平を口にし、自らの意識の低下を認め無い者達である。

【蒔かぬ種は生えぬ】
どんな事にでも言える事だが、種蒔きもせずに実を願っても千年経っても実を結ぶ事は無いのである。

人間の意識向上も同じであり、學ばぬ者に真理を知る事は出来ないのである。
學ぶ事は反省の無い者には、ただ詰まらない疲れる、面白くも無い事で有ろうが、心で汗をかく行為は學べば學ぶほどに精神は成長し、低下する事は無いのである。

【苦は魂を磨き鍛える妙薬と心得よ】
苦を喜ぶ人は皆無で有ろうが、苦は試練であり苦を嫌い逃げても最後まで履修し終えなければ、同じ苦が何度でも形を変えて襲って来るのである。
来る苦を履修するとは學ぶ事であり、意味を知る努力である。

全ては自らの中から始まり、自らの中で終わるのである。

其れを他の責任や己れの不運と嘆くは稚拙であり、益々、己れを迷宮に閉じ籠める事に成るのである。

解らなければ解るまで學び、真摯に問う姿勢こそ、人間に生まれた甲斐があると言っても過言では無いのである。

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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