密教2093 【不明な祠】

日本中にある祠でわ来歴がはっきりして居るものは少ないであろう。

来歴とは、祠の場合には何の神仏が祀られて居るのか、何のために祀られて居るのか、誰が御祀りしたのか？

これは重要な事柄であり、後の人に受け継ぐ事に置いても大切な事である。

しかし、考えれば恐い事である。

身勝手に勧請し伝える事無く放置して来た現実は、後の世に果たして良い結果を齎らすで在ろうか？

疑問である。

【私の経験談】
私が出会った祠は、ある御宅に依頼され加持祈祷に伺った時に、庭の片隅に祀られて居る祠に興味を覚えたからである。
其れが今回の依頼と大きく関わっていた事は、この時には氣付かなかったのである。

今回の依頼は、家人の病気平癒である。
十八歳に成る娘さんが訳も無く眠り続け、学業にも支障をきたす程であり、専門医の診療を受けたが原因不明であり、手の施しようが無く、私に依頼して来たのである。

先ずは娘さんに会い霊査し、次に家中を観て回ったがやはりあの祠が原因である。

私は祠について詳しく知る為に、ご主人、ご家族に祠について尋ねたが、誰ひとり知らないのである。
その時にご主人が言った事は、昔ご主人が子供だった頃、この家で働いていた人なら何かば何か知っているかも知れないと、早速連絡して来て頂いたのである。
かなりな高齢の為、御家族が付き添われて居るが元気な御老人である。

早速、祠について尋ねたことは、祠の来歴である。
どうして此処に有るのか、誰が祀ったのか、どんな御祭神が鎮座して居るのかと、様々な質問したが解った事は、祠に籠められた御祭神は飯綱権現であることが、御老人と私の意見が一致した点である。

【飯綱】
その昔、飯綱信仰は日本中に有ったが、今では知る人も少ない。

山岳信仰の本尊神である。

この神を操る者を、飯綱行者と言う。

私も飯綱行者の数少ない一人だが、現実に存在する事は確かである。
【飯綱に関する事は模倣を防ぐために、密教塾にて詳細に書き認めます】

上記の案件は、御先祖が家運隆盛を願い建立した祠であったが、時の流れの中で忘れられ今に至り、還される事も無く今日に至ったのであろう。
それも此れも相手側に取っては、身勝手にしかならないのである。
依頼を受けた私の正念場は、これからであります。

長文に成るので、次回にお話し致します。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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