密教2091 【墓石だった庭石②】

ご主人の趣味は変わった石を集め庭に置いて楽しんで居たが、その中の十三体に及ぶ石が墓石だった事から、この一件が始まった事には、間違え無い事実である。
では、何処から石はやって来たのか？

実はご主人が様々な場所から集めて来た物であり、今と成ってはどの石を何処から持って来たかも定かでは無いので、元の場所に返す事は不可能である。
しかしこの石をこのままにすれば良く無いが、私は祈祷僧、処分するか否かは口を挟む立場では無いので、御家族で考えていただく事にしたのである。

【お勧め出来無い事】
石に興味がある方も居るが、河原や山、野原から石を持ち帰るのは辞めて頂きたい。

何故か？

その昔、様々な理由から墓石を製作出来ず、自然石を墓石にして故人を供養した例も少なく無いのである。
又は遺族が自ら石を加工して、墓石にした例もある。

其処には、様々な悲しい事実が染み込んで居るのである。
例え何百年が経過しても、悲しみの念や苦しみの念が自然消滅する事は少ない。

一例を挙げて言えば、戦国時代の武士の霊が未だ成仏せずに居る場所も少なく無いのである。
敢えて場所の特定は割愛するが、事実である。

私が体験した例でも、一般家庭の敷地内から戦国時代の遺骨が発見され、警察が出動した事例もある。

【依頼者からの電話】
あれから家族で協議して、全ての庭石を処分する事に決まったが、相談に乗って欲しいと言う事なので、また伺う事にしたのである。
御宅に行ってみると前回とは違い、ご主人も御家族も好意的に対応されるので、私も全力で対処する事にしたのである。
先ずは石の搬出であるが素人では無理な量であり、外に出しても処分は不可能である。

幸い私の友人である石材店があり、破砕機もある。
石材店からトラックと職人さんに来て頂き、積み込み作業をして頂き感謝である。

全ての石はその後、全て破砕され、細石【さざれいし】に成ったのである。
本来の墓石の処理法は、魂抜き後に破砕し細石にするのが正しい方法である。

その後の使い方は、有効活用されるので安心である。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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