密教2083 【山に眠る地蔵尊②】

前回の様な場合には、石を積み上げ御霊移しをして安置する事もありますが、願いが叶った場合にはねんごろに供養し破壇作法をし、その場を元に戻す必要があります。
一度やって、後はほったらかしでは、いかんせん良い筈など無いのである。
最も悪例であり、山の持ち主である家に異変が起きても不思議では無い事例である。
しかし乍ら昨今は、上記の様な事例は増えて居るのが実情である。
この他にも幾つも事前に知って忠告したにも関わらず、ほったらかしをして居る事例もあるが、これ以上きつく言えずそのままにして居る事例も少なく無いが、それで良い筈は無い事を皆さん知って置いて頂きたいと考えます。

今回の事例は何方も知らずに行った事であり、今後は反省して頂く事をお約束して頂き、御受けする事にしたのである。
私はこの事を予見していたので、全てを整えて居たのである。
早速、管理人さんの案内を受け、御主人、管理人、私の三人で現地に向かったのである。

【撥遣作法】
現地に到着して直ぐに略式の壇を設え、供養法後に魂を抜く作法に入り無事終了したのである。
全てが終わった時、疑った事を御主人は丁重にお詫びして下さいました。
全てのわだかまりは解けて、その後は当院の檀家に成って頂けました。
正に災い転じて福となすの諺の様に、御主人と御家族は平穏な生活を送られて居ります。

日本中に様々な社、祠、石仏が存在して居るが、古いものはともかく全ては信仰の対象であり、続けられないので有れば、設置、安置は辞めた方が無難である。
信仰は心の表現であり、素晴らしい事である。
しかしほったらかしに成る様で有れば、意味は違います。

【その場凌ぎ】
その時が良ければ、その時を逃れられれば、その考え方は間違えである。
どんな事でも必ず【報い】、結果から逃れる事は出来無いのである。
ならば最初から良い方向を定め進み、途中に間違えに氣付き修正する事で、依り改善されるのである。
間違えに氣付く事こそ、人間に必要な事と思う昨今である。

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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