密教2056 【法剣】

数千年前から続く密教に於いて欠かせない法具の一つに、法剣がある。
皆さんに分かりやすく言えば、密教の仏像を観て頂きたい菩薩部に始まり、明王部、天部の諸尊が持つ法剣には、深い意味がある。
普通に考えれば刀や槍は武具であり戦いの道具であるが、其れは対人に対しての道具であり、また精神修養の為の大切な武具だが、霊的目的の為では無いのである。
対して法剣は最初から霊的事に対して目的を定め、研鑽を重ね具現された法具なのである。

【日本刀は素晴らしい】
刀匠が心血を注ぎ完成させた逸品であり、芸術である。

その姿には刀匠のこだわりと冴えがみなぎり、同じ物は二つと無い素晴らしい逸品である。
そして体系化された日本刀の文化は現在も受け継がれ、一部の職人さん達が次代に受け継ぐ為に頑張って居られます。

正に、頭が下がります。
一本、一振りの刀【剣】が完成される迄には優れた職人さんの力が必要である。
始めに刀匠【刀鍛冶】研ぎ師、はばき【白銀師】、目貫、鍔、鯉口、鐺を製作する職人さんである。

分かりやすく言えば、彫金師さんの仕事である。

次に鞘師さん柄巻師さんと其々の専門職人さんが、心血を注ぎ出来たのが日本刀であり法剣である。
簡単に出来る物など無いのであり、全ては匠達の集大成が日本刀であり、法剣なのである。
その中でも法剣は製作、製法が極めて困難であり、従って現存数も極めて少ないのである。
本物の刀匠が心血を注ぎ完成させた剣に、密教僧が法を修し完成させた法剣は、生身の人を斬る事無く内在する悪霊を断つ為に存在するのである。
従って術【法】を修する為には、偽物では真価を発揮する事は難しいと考える次第である。
拙僧は長年に渡り本物を探し求めた結果、多数の法剣を所蔵するに至ったのである。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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