密教2048 【仏像】

昔まだ修行中だった頃、寺にある相談がありました。
ある旧家が、代々安置して居る仏像を観て欲しいと云う依頼である。
その頃の私は、住職の勧めで寺の檀家さんの相談を受けて居り【心霊相談】ました。
住職のお供で、檀家である旧家に仏像を観に行ったのであります。

仏間で見た仏像は立派な菩薩像二体で、重要文化財に匹敵する素晴らしい御像である。
なんでも先代が他界した後、自分には必要無いので売却するにあたり、魂を抜いて【撥遣】欲しいと云う依頼である。
私は余計な事だと解って居たが、言ったのである。
売却は、お辞めになった方が良い。

この仏様は貴家を護る大切な仏様であり、家の護り手放さず代々伝えて行く方が家が栄えて行きます。
しかし私の意見は退けられ、売却へと話しは進んで行きました。

後で聴いた話しだが、当時でも凄い高値で売却されたそうである。
その売却益で新たに店を始めたが上手く行かず、それから様々な商売に手を出すもことごとく失敗し、最後には旧家と言われた家も売却し、一家は離散し当主もいずれかに行ってしまったのである。
今あの仏像が何処にあるのかは不明だが、今の所有者が幸せで居る事を祈るだけである。

【仏像の秘密】
現在ではあまりやる事は無いが、昔は仏像の胎内に経典や仏舎利、胎内仏その他、施主にまつわる物を安置する事が有りました。
そうする事に依り安置する者、家を護って頂く糧としたのではと考えます。
従って、其処にはある種の呪力が宿り、護りが強化されたのである。
今でも私の脳裏には、あの時の菩薩像がはっきり残っております。
仏像は信仰心の現れ大切にして日々、礼拝に励み心の拠り所とするならば、必ずや大難は小難、小難は無難へと導いて下さると考えます。
金銭は現界の道具であり、未来永劫に続く物では無い。

信仰こそ、心の栄養であり普遍である。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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