密教2040 【法剣の素晴らしさ】

密教で云う法剣とは【宝剣】不動明王尊剣であり、古くから密教に携わる者には最高の法具であり憧れである。
その姿は不動明王尊像を見れば誰にでも分かる様に、日本刀ではあるが両刃剣であり、古くから畏怖と恐れ多い宝剣の象徴である。
密教や修験道では欠くべからざる法具であり、これを持つ行者を尊敬の念んを持ち敬ったほどである。
本物の法剣は、刀匠が心血を注ぎ打ち上げ完成させる両刃剣である。
現存する本物の法剣は少なく、市場には先ず出回る事は無いで在ろう。

何故か？

持ち主が手放す事が、ほとんど無いからである。
製作も困難を極め需要の少ない両刃剣は、今では超貴重な文化財である。
今から四十数年前に岐阜県関の刀匠藤原兼房が、成田山から依頼を受け作刀した不動明王尊剣は、当時の料金で五百万である。

当時の五百万と言えば、横浜【神奈川】に有る新興住宅で坪五十坪の新築の家が買えた時代である。

【法剣の意味】
優れた日本刀は異説だが、神に会っては神を斬り、仏に会っては仏を斬ると言うほどの、斬れ味を誇ったのである。
法剣は生身を斬らずに悪霊のみを斬る霊刀であり、従って物を斬る剣では無い。

霊力を宿し、行者を助け、悪鬼羅刹を断つ法具である。
私は常々言って居るが偽物の包丁では大根一本切れない様に、密教で使う法具も本物で無ければ用を足さないのである。
形が本物で有ろうが、中身が偽物なら何の意味も成さない。

霊は簡単に見抜き、玩具かとせせら笑うだけである。
良い物には魂が宿り、それを使う者が修練を重ね到達した時には、法具は数百数千それ以上の力を発揮するのである。
法具に相応しい自分を磨くも修練であり、より良い法具との出会いも御導きである。
あなたにとって最良の出逢いが、訪れる事を御祈念申し上げます。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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