密教2024 【追善供養】

もうすぐ、春の御彼岸がやって参ります。

この季節は御先祖様や近しい人の菩提を祈り合掌低頭して、故人を弔う日である事は皆さんもご存知の通りであります。
そしてもう一つの意味は、先に逝った人がやり残した善行を遺族や子孫がやる事で、霊への供養とする好意が追善供養であります。

例えば困って居る人を救う行為は正に善行ですが、そんなに都合の良い事も無いであろう。

御釈迦様の時代に、弟子のアーナンダが地獄に居る母を視て御釈迦様に相談しました。
母を地獄から救うには、どうしたら良いでしょうか。

御釈迦様は、言いました。
百人の僧侶に頼み、母の為に一斉に読経供養を施し、百人全ての僧侶が満足する様にもてなし、笑顔で終える様に計らいなさい。

さすれば喜びの念が地獄に届き母は極楽へと昇天すると、教えられた通りに百人以上の僧侶に供養を頼み、安心の中に終了したと言う事である。

現代でも信仰心の厚い方々は、先祖を敬い御仏を尊び悪行を嫌い、善行に励んでおられます。
御先祖様がおられたから今の私達が存在して居るのであり、御先祖様が居なければ私達も存在しないのである。
せめて施餓鬼供養くらいは、して差し上げたいものである。

【施餓鬼供養】
地獄の亡者は生前の罪とかに依り、一切の物を口にする事が出来無いのである。

例えば饅頭を食べようとすれば、炎に変わり呑む食べるが一切出来無いのである。
但し僧侶が御加持を施し供えた供物は、唯一食べる事が許される施し物なのである。
自らの手で触れる事も出来無かった餓鬼も、施餓鬼供養を施せば食べる事が許される事から、施餓鬼供養を厳修するのである。
気持ちを込めて礼拝供養する事に依り、他界された方々は感謝しより良い階層へと昇って行かれるのであります。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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