密教1892 【他人事】

喉元過ぎれば熱さを忘れると云う諺があるが、正に今では無いだろうか。

コロナ禍は、まだ終わって居ないのである。
コロナ禍の影響で職を失った者、賃金が大幅に下がった者、ローンが払えず困って居る者、学費が払えず退学する者、全てに絶望して自殺する者、他人事では無い現実が今あるのです。
第六波が来れば、暮れを控えて大変な事に成るかも知れません。
一人ひとりの自覚と、理性が求められて居るのである。

生活の根幹である職業を失う事がどれだけ大変な事か、そして亡くなった人が大勢いる事をもう一度思い起こし、他人事では無い事を深く考え、行動する時であると考えます。
皆が、二年近く苦しみ耐えて来たのである。

今暫く様子を見て、行動すべきでは無いだろうか。
自らの身に災厄が降り掛かった時に、他人事と言えるだろうか？

今一度、冷静に考え自らの足元を見る時と考える次第である。
国は経済活動を推進して居るが、本当の意味で考えればまた違った答えがある筈である。

【我は木偶なり使われて踊るなり】
人間は、操り人形では無い。

自らの意思と行動は、自らが考え動く者である。
一時の感情に溺れ道を誤れば、取り返しが付かない事態にも成り兼ねない事を、自覚して行動する事である。

【智慧を蓄える時】
他が遊んで居るから遊ぶでは、余りにも短略的では無いだろうか？

そんな時こそ、智【智慧】を蓄える時と考えます。
何処にも行かずとも、智を伸ばす事は出来る。

例えば學びたかった事を、この時期に學ぶ。

正に、有意義な事である。

どんな事にでも言える事だが、自らが動かねば得る事も失う事も無いのであり、増してや學ぶ事に視点を置く事は、自らの宝を増やす事に繋がるのである。
本が買え無いのであれば、図書館で借りれば良いし、図書館に無ければリクエストする方法もある。
全ては自らの動き次第で、幾らでも改善出来るのである。
無駄に月日を費やせば、成長も無い。

人生と成り後悔の日を過ごすのは、自分なのである。
人間は學ばず生きれば、幾つに成っても精神年齢は上がらず、幼児的発想しか出来無く成り、死後それを気付かされ後悔に哭く事と成るのである。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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