密教1888 【密教の特殊法具】

今回は読者からの質問に答えるかたちで、以下を書き進めて参ります。
密教には普通では公開しない法具も多数あるが、中でも法具の中に舎利を納め法具の力を最大に発揮させる物も、存在して居るのである。

例えば、都五鈷杵や宝珠杵などは法具の真ん中が分かれ、中に舎利を納める様に成って居る法具もある。
また割五鈷杵【人形杵】は特殊な形に分かれ、その中に舎利を納める様に成って居るのである。
割五鈷杵は一般には入手困難であり、古代の物は奈良国立博物館が所蔵して居る。

当院でも所蔵して居るが、公開はして居ないがコロナ禍が終息し来院された方には、拝観して頂く予定である。

何故、法具の中に舎利を入れるのか？

開眼された法具はそれだけでも力を発揮するが、特殊法具は更なる力を発揮する為に、舎利を入れるのである。
一般の方に舎利と言ってもお分かりにならないであろうが、普通に舎利と言えば仏や聖者の遺骨を舎利塔に納め祀るのが、仏舎利である。
法具に納める舎利は、上記とは少し違う天台宗、真言宗では独特な教義があり、その上で定めた物を舎利と言うのである。
此処では模倣を防ぐ為にこれ以上は割愛するが、来院された方には教える事もあるのでお尋ね下さい。

密教の法具の数々は、それだけで一冊の本に成る位に多くの法具が、存在して居るのである。
寺院で皆さんが眼にする法具はほんの一部であり、全てを取り揃える事は至難の業と言えよう。
何故それほど難しいのかと言えば、先ず需要が無い事と製作に関しては細密であり、復元には多額な費用が必要に成るからである。

例えば弘法大師空海御招来の金剛盤の大きさも、現在各密教寺院で使用して居る物依り、格段に大きく荘厳である。
同じく金剛鈴、五鈷杵、三鈷杵、独鈷杵も現在の物依り大型である。
金剛鈴に至っては、数種類に成る事を知る者は少なく、増してや正解な形を知る者も少ないであろう。
お知りに成りたい方は密教法具辞典を見る方法もあるので、読まれると良いと考えます。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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