密教1878 【憑依を呼ぶ者達2】

あの葬儀から数年後に、一本の電話で依頼を受けた私はその住所地に向かった。

すると待って居たのは、あの家族であった。

懐かしさも合ったが、先ずは依頼内容を聞く事にしたのである。

その内容とは、家で起きて居るポルターガイスト【騒霊現象】を何とかして欲しいと云う内容である。
夜中に誰も居ない台所で鍋やまな板を使う音がするので、行ってみると誰も居らず鍋やまな板を使った形跡も無い。

風呂場では、誰かが風呂に入って居ると言った具合である。
一応事情を聞いて家の中を見せて貰う事に成り、その時点で異変は感じて居たのである。
それも一体や二体では無い、複数である。

何故、こんなにも未浄化霊が居るのか、この時点ではまだ不明であったが、家中を観て驚愕したのである。
その家は一二階を使う方式のアパートで、押し入れが四箇所にある古い方式である。
先ず一階の押し入れを見て愕然とし、二階の押し入れを見て再度愕然とする事になったのである。

私がそこで見たものは、一階では亡くなられたお母さんの遺骨が、荷物のように置かれて居たのである。
二階には、複数の骨壷がしまわれて居たのである。
二階の骨壷は、長女と三女の子供の遺骨だと説明されたが、どうゆう経緯で遺骨が此処に置かれて居るのか尋ねたが、答えは貧しいからお墓にも入れてやれないのでしまって置いたと言うのである。
しかしそれならば、押し入れの中でも簡易的にお祀りする事は可能であるのに、荷物扱いは感心出来無いのである。
しかしこれが、次女を除く父親と長女三女の本性である事は、直ぐに理解出来たのである。

正に霊的軽視であり、事が起これば右往左往する、付き合い難い人達である。
その日は一階の押し入れを掃除して、簡易的に壇を組み全ての遺骨を一つ所に安置して、供養経をあげ終了したのである。
それから数ヶ月後に、長女と三女は別の問題を起こして逮捕され、父親もまた別の件で逮捕された事を知ったのである。
正にメチャクチャな家族であるが、その後ろに視えるのは泣かして来た人達の怨念である。
因果応報とは、この事である。

霊的事を信じようが否かは自由だが、犯した事は様々な報いを覚悟せねばならない事を覚えて置いて頂きたい。

南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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