密教1851 【調伏法】

調伏法とは、密教で行う怨敵退散もしくは悪魔降伏【ごうぶく】、いわゆるエクソシズムである。
古くは平将門の乱【東の将門、西の純友】で厳修された事が、有名である。
平安時代に平将門が新皇と名乗り朝廷と敵対し、平将門の乱が勃発する。
乱世の中で民衆は恐怖と不安の底にあり、朝廷は高野山に将門の乱を密教秘法にて調伏する事を、命じたのである。
そして寛朝大僧正が、弘法大師空海みずからが開眼した不動明王尊像と共に、関東の地へ【現在の成田山】そして二十一日間、護摩を焚き戦乱が収まる様に祈願し結願の日、平将門は敗れ関東の地に平和が訪れたのである。

調伏法は一般には知る事の無い、密教の秘法である。
調伏法は特殊な護摩炉【三角形】を使用し、様々な約束事を踏まえて厳修するものである。
その効験は凄まじく効果的面であり、現在では修する事が出来る寺院も少なく、一般の者が眼にする事も無いで有ろう事から幻の修法である。
当院にはこの他に増益炉、息災炉、敬愛炉、調伏炉が全て揃って居る。

勿論、全ての次第書も伝授も受けて居る事は、言うまでも無い。
この世に生きる全ての人が平安に生き幸せであるのなら、密教の秘法は無用の長物と成るであろうが、まだまだ人間界には必要な様である。
イジメ誹謗中傷を受け未だ心の闇に苦しむ人や自殺に追い込まれた人、様々な悪魔の所業が絶えない現在、調伏法は必要であろう。
出来る事なら、悪事に染まる前に気づいて貰いたい。

この世の裁きを逃れても、犯した罪は消えない。

消えぬばかりか雪だるまの如く重なり増大し、最後は未来永劫に渡り償う事と成るのである。

【悪事の代償】
どんなものにも、対価と代償は存在する。

それが姑息で卑劣なものであればあるほど、重くその者の罪と成りのし掛かって来て、未来は消え失せるのである。
悪事ほど、割に合わない事は無い。

犯した罪を償う事は当然だが、放置して来た罪は倍加する事を忘れてはいけない。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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