密教1845【學びの饅頭を掴む】

人間至る処青山有り、己が骨を埋める場所は何処にでもある。

故郷にこだわらず大望を実現する為には、広い世間に出て學ぶ事である。
現代に於いて言える事は、読み書きが不自由な方は少ないで有ろう。

成れば、學を極める事も不可能では無いであろう。

自分には無理と決めて居るのは、自分である。
例え転んで傷付いても、起き上がる手で饅頭を掴み立ち上がる事は可能であり、其処で倒れたままで居るも己が選択である。

【人生は自由選択】
賭け事や悪事で得た金は所詮あぶく銭であり、正に悪銭身につかずばかりか、因縁を重ね被るだけである。
正しく稼ぐ事は、幾ら稼いでも良い。

その金は宝銭であり、人を救う道具と成り、カルマ解消へと繋がるのである。
金は便利な道具であり、使い方で多くの人を救うものにも変わるのである。

勤勉に勤め貯めて使う事に依り、後世の者が學ぶ道が開ける事もある。

当院では密教を真摯に學ぶ者の為に密教法具、仏具の復刻に私財を使う事に勤めて居る。

護摩法で言えば、現在製作中の物も入れれば全ての護摩炉がある。
敬愛炉、息災炉、増益炉、調伏炉、この他にも新しく護摩壇も増設し、信徒、信者、弟子の學びの礎とする為に製作して居るものである。

私が何故、復刻、復元に力を注ぐのか？

武術で例えれば、真剣を用いて据えものは斬れても動くものを斬れるとは限らず、増してや真剣を扱った経験が無ければ論外である。
密教でも、同じ事が言える。

本物を見た事も扱かった事も無ければ、正に机上の空論に成りかねない。

私は当院で學びを志す人達には、最良の學びを届けたいと考えて居るのである。

当院は、疫病蔓延を防ぐために寺門を閉ざして早一年八ヶ月を数えるが、これも僧侶として当然の勤めである。
実質的閉門を続ける事で少しでも疫病蔓延を防ぐお役に立てるのであれば、密教寺院としては誇りを感じるところである。
一日も早く疫病が収束する事を、願う次第である。

人間本気に成ればどんな状況に有ろうとも學べる學ぶ意思が重要である。
銭、銭と追う者に来た試し無し學びを深め追う事の虚しさを知った時、向こうからやって来るのである。
正に分を知る、真の分を知るには學びが不可欠であり知らねば生涯の損失と心得る事が肝要である。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主　永作優三輝

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