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密教1684 密教僧の体験記 【人身御供、人身供儀②】

人柱の人選は、難を極めた。
何故か?
複数人が、必要だったからである。
護岸工事の要所に一人、次の要所に一人と言った具合で、最低三人の娘が必要だった。
しかしそんな簡単に、条件に合う娘が居る訳がない。
増してや村の為に自らの命を投げ出すなど、到底無理な話しである。
話し合いは難行したが、梅雨時に成る前にある程度、工事を進めるには人柱はどうしても居ると考えた末に、くじ引きで決める事にしたのである。
そのくじ引きの内容は、次の通りである。
先ず条件に合う娘の親は、無条件でくじ引きに参加する事。
娘の居無い家は、護岸工事の費用か工事に率先して参加する事が決められ、くじ引きが開始されたのである。

くじ引きに依り人柱の娘も決まり、装束が揃えられ暗黙の内に進められた装束とは、花嫁衣装で綿帽子を被り誰だか分からない様にして、行われたのである。
皮を剥いだ丸太に花嫁を括り、綿帽子を深々と被せ数人の立会人の下で行われたのである。
実は人柱に選ばれた娘の親の一人が、相談者の先祖だったのである。
当然、娘が承知する訳が無い。
其処で考えたのが、身代わりである。
同じくじ引きに参加した小作人に話し、自らの娘の身代わりを頼んだが良い返事が来る筈も無い。
其処で考えたのが、金と圧力を加えて嫌が上でも承知させたのである。
貧乏な親は泣く泣く娘に承知させたが、この事が発覚するのを恐れた依頼人の先祖は、人柱に成る娘が何も言えない様に娘に猿轡を噛ませ【布などを口に入れ喋れない様にする事】、綿帽子で顔が見えない様に隠して人柱を実行したのだが、怨んだ娘は最後に一言、自分は死んでも怨みはお前の子孫に残してやると言って、人柱に成ったのである。

これで私の中にあった謎の点と線が、一つに繋がった。
屋敷に戻り依頼者に聞いたところ、祟りを恐れた先祖が家内に小さな社を建立したが、娘が生まれる度に十八才に成ると精神の病いに侵されるので自分の代で終わりにしたいと考え、今回の依頼をした事を話して下さいました。

思えば、悲しい話しである。
されどこのままでは、人柱に成った娘達の霊も浮かばれ無い。此処は御仏の御力を持って成仏して頂き、全ての怨みの念を消し去る必要がある。
先ずは浄化の加持祈祷に続き、懇ろに慰霊祭を営み、怨みの念は消えました。
その後、屋敷内に新たに立派なお社を建立し、護岸にも地蔵菩薩尊像を安置して、地域の安全と繁栄を祈り、この一件は無事解決したのである。

思えば、無知から出た現象であるが、その当時には他にすがるものが無く起きた事である。
人は、無知故に侵す事も多々あります。
學びを深め、誤ちを犯さ無い様にしたいものである。
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by kongousan-akafudo | 2021-02-25 06:00 | ◎赤不動明王院通信
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