その日は、家の浄化供養の依頼を受け他府県に来た。駅に迎えに来て居た依頼者と合い事情を聴いた。
以下は、内容である。
依頼者は、ご夫婦で一生懸命に働きこの度、古いが念願の一軒家を購入した。
ご夫婦は喜び早速入居して暫くすると、様々な異変に悩まされ始めたと云うのである。
それ迄は一度も夫婦喧嘩などした事が無いご夫婦が、些細な事で喧嘩、また霊感があると云う友達がこの家に居るとイライラすると言い帰り、
順調だった仕事にもかげりがさし、夜中には、原因不明の音に悩まされて居ると云うのである。
家に案内された瞬間、私には分かった土地の因縁である。
中古物件なので以前の事を調べるのは、難しいが手はある【私の奥の手である】。調べたところこの土地は昔、沼であり幾人の人が死んだので地蔵菩薩を安置して居たが、今は何処に行ったか分からないとの事であった。そして殺人事件があり、死体がこの沼に捨てられた事も判明した。私の幼い頃には、東京でも池や沼は至るところにありました。それが高度成長時代に、池や沼は埋め立てられ宅地に変わって行き、今では何処に池や沼が有ったのか、知る人も居ない。
上記の土地も、時代の流れの中で供養も浄化もされず忘れ、今に至ったのである。
忘れられた悲しみが、怒りに変わる事は多々ある。
上記の件は、その後、ご夫婦で地蔵菩薩尊を祀り供養した事で、前以上のしあわせな状況に成ったとご夫婦が口を揃えて言っておられます。
以外と知らないのが、身近にある怒りの溜まり場である。例えば、事故現場や事件現場には、興味で行ってはいけません。そっとして置く心も、優しさである。
南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院
院主 永作優三輝
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