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密教1189 祈祷行脚②

師僧の指示を受け私は、祠の正体を確かるべく走り周った。
始めは、雲をつかむ様な気持ちだったが、調査する内に分かった事がある。
模倣を避ける為に具体的な方法は割愛するが、その時の経験は今の私にとって大切な要素になっている事は、確かである。

その祠は、武家社会時代に建てられた。
この家には、必要な祠だったのである。
祠に安置されて居た中身を書く事は、憚られるので割愛します。
幾日かが経過して、ようやく加持祈祷の準備が整い、祈祷が行われました。
すると、病で伏せっていたお子さんが、起き上がり喋り始めたのである。

以下は、私の記憶の中にあるお子さんが喋った内容である
【この家を何代も護り続けた我らをないがしろにし、在ろう事か祠まで打ち捨てた事は許し難い、、、】
ここで護摩の炎が一段と勢いを増し、法を修する師僧に力が入った。
次の瞬間、お子さんは意識を失い布団に横たわる。
加持祈祷も無事終了し、お子さんが目覚めたので、先ほどの事を聞いてみた。
すると自分は、寝て居て分からないと言うのである。
これは明らかに、憑依である。

師僧が、それ以上聴く必要は無いと言うので取りやめ、後は師僧のお話しに全員が注目しました。
覆水盆に返らず、無くなってしまったものは、帰りません。
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しかし、心まで無くした訳では無い。
敬う心と尊ぶ心は、普遍です。
深く御仏に帰依し御加護を望む時、御仏は必ずやあなた方親子を守護されます。
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安心してこれからの人生を歩んで行ってください。
その時の親子の眼には、涙が流れていた事を忘れる事は無い

あれから数十年の時が流れて、今はお子さんが立派な跡継ぎと成り、家を支えておられます。
無闇に古い祠や、今はお祀りして居ないので、いらない・捨てるは、お考え下さい。
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物には、歴史や想いが篭る事が多々あります。


by kongousan-akafudo | 2019-08-10 06:00 | ◎赤不動明王院通信
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