密教の諸尊の成り立ちは、その構図にある金剛界、胎蔵界其々に違った役割りがある。
此処で全てを書く事は出来ないので、簡単な役割りをご紹介しよう。
頂点を如来部とし菩薩部、明王部、天部と成り、如来部は菩薩部を統括し菩薩部は明王部を統括し明王部は天部を統括します。
そして、私達の願望達成に直接御働きに成られるのが天部の諸尊であります。
従って上部に成るほど御尊格は、少なくなります。
数で言えば、天部の御尊格が最も多く、言い変えればそれだけ私達の願い事が多い証とも言えます。
ですから、前章で書いた様に専門的な尊格が、必要と成って行ったのであります。
真に有り難い限りです。
例えば、私達にも得て不得手がある様に、御仏の世界でも多種多様である。
それをわきまえて置かねばなりません。
ではどうしたら良いのか?
簡単である。
自身でその尊格の御働きを知る努力から始まり、學ぶ事である。
それも立派な學びです。
知る努力、學ぶ努力、全ては自分の宝に成る。
そして専門知識を有するのが密教僧である。
しかし密教は難解であり二、三日勉強したくらいで解るものでは無い事をご理解願いたい。
しかし、一歩を踏み出さなければ先はありません、
では、どうやって學ぶのか、私の學び方はまず好きに成る事から始めます。
人間嫌いな事を真剣に學ぶ事は難しい。
しかし好きな事なら寝食を忘れて没頭出来る。
全ては、好きから始める事が良い結果を生み出すと私は考えます。
南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院 院主 永作優三輝