私はある檀家さんから依頼を受け、ある仏像を製作中である
お子さんを亡くし、奥様もお亡くなりになられ、どうしても地蔵尊をお祀りしたいと言う依頼である。
それも、みなさんがご存知の地蔵尊像では無い。
何故か?
私は、地蔵尊の写真を出来る限り見て頂きましたが、何れも違うと仰られ、お気に召さない。
私も困りました。
しかし、私が旅先で撮った一枚の写真を見せた時、依頼者は涙を流しこれだと言われました。
私には、痛いほどその気持ちが解ります。幼くして亡くなったお子さん、奥様の供養をしたいと言う依頼者の心の表れなのである。
それほどまでに、愛しておられたのである。
私は仏師と相談を重ね、現在製作中である。
人間と生まれ、四苦八苦のいずれかを知らぬ者は居ない。
四苦とは、生老病死の苦に、愛別離苦
愛する者と別離する苦
怨憎会苦
怨み憎む者に会う苦
求不得苦
求めるものが得られ無い苦
五蘊盛苦
肉体と精神が思うがままにならない苦
合わせて四苦八苦である。
人間は様々な苦を乗り越え學び得る事は、他の痛み苦しみを知り、増長傲慢な心を滅する事にある。
私は、これからも悩み苦しむ人に寄り添って行く所存であり、それが私の御役目だ知るからである。
南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
金剛山赤不動明王院 院主 永作優三輝