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追善供養に関する密教ブログ

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■供養心

自分がこの現界に生を受けるまでには、計算上、千人以上の御先祖様が居なければ自身の存在は無い事になります。

良きにつけても、不満だらけでも、生を受けた事には意味があるのです。
その意味も解らずに不平不満を抱き続けていれば、良い結果など得られる訳が無いのです。
言わば、自身が負の種を蒔いて居る様なものである。



その逆に、私の知る人達は御先祖様に敬意をはらい、彼岸と聴けば供養を申し込まれる誠に信仰心の厚い方々です。


追善供養は、御先祖が霊界で御受け取りに成られる最良の御供養です。


ある方が相談に来られ、『供養をお願いしたいのですが、お支払いするお金が有りません。
出来れば御寺の掃除をさせて頂き供養に変えることは出来ないでしょうか?』
とお話しされました。


『寺の掃除は、大丈夫です。
そのお気持ちがあれば、毎日、仕事の行き帰りに、道に打ち捨てられたゴミを拾い、

その行いを御先祖様の供養に当てなさい』と私は教えました。

それから3年後、素晴らしい御縁を頂き、今では何不自由無い生活を送って居られますが、相変わらずゴミ拾いを続けて居られます。


正に隠徳を積まれた結果であります。

人は一人で生きるにあらず。
眼に見え無い大勢の先祖に見守られ、この世《現界》を生きて居るのである。
こちらが其れに目覚めた時、様々な護りが働きます。

神仏を尊び、御先祖様を敬う時、私達は護られます。

■施餓鬼会

施餓鬼とは、本来サンスクリット語であります。
古代中国で訳経され、日本には弘法大師空海が渡来し、密教僧の手により修されたのが始まりです。

現在は、真宗を除く各宗派で盂蘭盆会として修されておりますが、本来は、常時修されるのが施餓鬼供養です。
地獄に堕ちた亡者は餓鬼となり、食べようとすれば炎に変わり、また、水を飲もうとすれば溶岩に変わり、何も口にする事は出来ず、あのような浅ましい姿と成り、地獄を這いずり、飢えと渇きに苛まれ苦しみ喘ぐ。

餓鬼に供物を与えて改心させ、再度人間に生まれ変わらせ、修行させる為に行うのが施餓鬼供養会なのです。

当院では、秋彼岸供養会を、9月19日〜25日まで行います。

先祖の回向《追善供養》には、施餓鬼供養が一番良いとされております。
今回の供養にも、施餓鬼供養を行います。
先祖の居ない方は存在しません。

私の家は、分家なので。
仏壇が無いので。
本家が行っているので。
などと、言われる方がおられます。

では、あなたは、誰なのでしょうか?
供養する心に、本家も分家も、仏壇の有無も関係ありません。

大切なのは、心なのです。

感謝の心は、千里の道を瞬時に駆け、彼岸に到ります。
生きる事に、感謝。
生かされている事に、感謝。
今ある事に、感謝。
今日ある事に、感謝。

全てに、感謝が出来る様に成った時、本当の彼岸が実感出来るのです。
あなたも、秋彼岸の一時、感謝を込めては、如何でしようか。

■追善供養

釈迦の弟子の一人が、釈迦に尋ねました。

「昨日の夢に、今は亡き父母が現れ、今、自分達は地獄で毎日昼夜を分かたず、針の山、血の池、鬼による鋸挽き、焼けた鉛を呑まされたり、大きな蜂に刺されたり、様々な責め苦に、苦しんでおります。父母を地獄の苦しみから救うには、如何したら良いのでしょうか?」

釈迦は、言いました。

「100人の僧侶に布施をし、100人の僧侶に、回向をして貰いなさい。そうすれば、必ず救われる。」

人は、知らず知らに罪を犯し、カルマを重ねているので、人には施し、つまり布施、回向とは、祈り…
釈迦は100人の僧侶になぞらえましたが、釈迦の教えは、多くの人に分かち合い、愛に目覚める時…現界も平和を保ち、愛ある世界になるとお説きになられたのです。


追善供養は、生きている者の勤め…
故人の為に、手を合わせ、偲ぶ心に愛あふるる。

■先祖供養

皆さんは、何故先祖供養が必要か 御存知ですか?

密教の先祖供養は御先祖様が、出来なかった善行を、子孫が代わって行う行為、すなわち追善供養が非常に大切なのです。

善行と言っても現世的な、ボランティアも大切ですが、
密教では護摩法で、餓鬼界の亡者に、皆さんの御先祖様が布施をしたして、御供養申し上げます。

餓鬼界の亡者は、食べ物も、呑み物も、口にする事が出来ません。
それを、不動明王尊の御力を借りて、地獄の亡者である、餓鬼に布施をするわけです。

餓鬼は、その慈悲、すなわち皆さんの御先祖様からの、供物、供養を受け、自分の悪業を反省して、一段上の階層に、解脱するのです。
その徳が、皆さんの御先祖様、引いては、皆さんの徳と成るわけです。

餓鬼は、反省して、解脱するわけですが、その光景は涙を流し、供物を口にし、甘露の法雨を浴びて、正に、天界の慈悲を味わうのです。そして、餓鬼の姿から脱し、元の人間の姿に戻り、輪廻転生の修行に、入ることが出来るのです。

餓鬼界に居る時は、口にする物は、全て炎に変わり、食する事が出来ません。
皆さんの、御先祖を敬う供養が追善供養に成り、餓鬼をも改心させる事になる、誠に有り難い御供養なのです。

よく供養は、何々の日が良いとかいう知ったかぶる方がいますが、そんな事はありません。
皆さんが、先祖供養を想い立たれた時こそ、吉日です。

■追善供養

御先祖様の中には、浮かばれない方々もおいでになります。

例えば、生前に全く死後を信じない方々。
肉体だけが人生で、肉体が終われば全てが終わると信じている方々。
お金があれば、何でも思いのまま出来ると思う方々。

…以上の要素を持って亡くなられた方々は、殆ど迷い、彷徨います。

お墓に行けば、解ります。
墓石の中に、入ろうとする方々の多い事。
諦めて、墓石に腰掛けている方々…

実に多いのです。

遺族が墓石にすがって泣いていれば、余計に成仏の妨げになります。
一日も早く、故郷である霊界に、還して上げられる人は貴女です。

貴女が主体です。
僧侶は本来、脇役であり、主体である貴女をサポートするのが本道です。

しかし、サポートしたくとも、主体がなければサポート役の私達にはどうする事も出来ません。
全ての段取りは、私達がサポートできます。

貴女が主体である事に目覚めて、御先祖様を供養される事が一番の回向になります。

それが、本当の意味での追善供養で御座います。



by kongousan-akafudo | 2020-08-19 12:00 | └私たちの暮らし
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