人生の岐路
母が他界してからの父は、口数も少なく過ごす毎日でした。
母の四十九日の法要の日、私は父と二人、母の両親が眠る、千葉県飯岡の菩提寺に、母の位牌を納めに参りました。
千葉に向かう電車の中で、父は、母との出会い、母との人生を楽しそうに、語ってくれました。
それから、父と二人の生活が続いていたある日、その日は武術の修行で、私はある場所に、宿を取り、宿泊しておりました。
夜中に母の声で眼を覚まし、母の声に耳を傾け、聴いてみると
「早く帰り、父さんを助けておくれ」と、何度も何度も言うのです。
山の中の宿、朝まで待ち、一番電車で家路に急ぐ電車の中でも落ち着かない
自分を諌め乍ら家に到着して、直ぐに異変に気づきました。
表現する言葉が見つからない、私だけの感覚です。
父の衣服の確認を済ませ、隣人に、尋ねました。
すると、昨晩から留守との事。
何故、父の衣服を確認したか?
それはあの声が、「衣服を確認しろ」と?
私は直感的に、行動する事に決め、警察署に急ぎました。
そして、警察で捜索願いを提出する事になりました。
すると、中から刑事さんが出て来て、私に尋ねました。
着衣を確認して欲しいとの事、そして出された着衣は、3㎝位の燃えかすの様な、一片の布きれを見せられ、この生地に心あたりはないか?と、尋ねられました。
私は、即座に答えました。
「父のポロシャツです!」
私は、認めたくなかった、他人の物で有って欲しいと、心の中で願いました。
そして、刑事さんに少し待って欲しいと言われるままに、待ちました。
しばらくして、今度は、三人の方が、一人は、鑑識の方で、写真を持っておられます。
別室に案内され、そこで見た物は、変わり果てた父の写真でした。
私は自分の眼を疑いましたが、顔で解りました。父であると。
私はその場では、気丈に振る舞いましたが、遺体に対面した時は、自分を呪いました。
無力な自分とは何か、知らされていたのに、何が何だか?解らない状態に陥りました。
そして私は、切腹を決意して、父の葬儀の日に父が自決した場所に向かい、
いざ決行しようとした時、父が現れ、私に帰れ!、と言う様に手で示すのでした。
私は、まるで夢遊病者の様に、夜の道を彷徨い、気が付いた時、家に帰りついておりました。
それから私は、父の納骨を済ませると旅に出ました。
日本中を転々として、最後は出家して、現在に至ります。
諸行無常とは、正にこの事です。
南無大師遍照金剛
蓮華合掌
赤不動院 院主 永作優三輝
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