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祟り神

あれは、一通の手紙から始まった。
家族が次々に事故や病気で入院してしまい、今は一人暮らしで不安な日を過ごしている…と。

そして決定的なのが、二年前に祖父が亡くなり、異変が起き始めたのが一月前のちょうど祖父の命日。
父親が交通事故、しかも単独事故。
母親は掃除中に足首を骨折、兄は、職場で倒れ入院。
残るのは彼女一人である。

彼女には、思い当たる事がないと言う。
私は、手紙から視ることにした。

やはりあった!
誰も手入れをせず、ほったらかし状態の祠が…彼女の家の庭にあるのだ。

私は手紙に記されている電話番号にかけた。
すぐに彼女が出て、挨拶もそこそこに私は聞いてみた…
貴女の家に、祠はありますか?と。

彼女は少し考えて、そういえば祖父が信仰していた祠があります。
何処の神様か仏様か、解らない…と言うのである。

私が言った通りの場所に祠があったのである。
しかし娘さんではどうして良いやら、さっぱり解らない。
そこで、ご両親の退院を待つことにして、それまで彼女を護らなくてはならない。

女性では、私の部屋に泊めることも出来ない。
そこで、強力な護符と御守りを送ることにした。

それから半月後、ご家族が揃ったと知らせがあり、皆さんが愚僧に会いたいと仰るので、日にちを決めてお宅に伺うことにした。

約束の日、朝から雨が降る肌寒い日である。
電話があり、入院していた兄と妹、依頼者が車で迎えに来ると言うのでお願いすることにした。

私は法具と法衣を選び、迎えを待つことにしました。
迎えの車が到着。
一路、依頼者の家に向かう。

暫くして、日本建築の大きな邸宅前に停車。
ここが、依頼者の家である。

家の中に案内され、ご両親と面会。
早速、話しを聞いた。
あの祠は祖父が建て、亡くなる迄信仰していたと言う。

祖父が亡くなり、誰も手を出さなくなり二年間手入れもされていない…
私は家の中も案内されたが、他に障りのある所は見当たらない。

そして、祠の前に立った瞬間、めまいとも違う感覚を覚え、ある映像を見た…

それは、稲荷の眷属である。
狐が怒り狂うほど、怒った様相である。
内容は、次の通りである。

《祀る時はあれほど敬もうたに…今は、このありさまに…我らは約束を守り、この屋を繁栄させた。その見返りが、これか‼︎》
…と凄い剣幕である。

私は家人を集め、全てを話した。
このままにすれば、一家は離散します。

稲荷大社にお帰り頂くにも、大変な行事、つまり祭りを行い、稲荷大社に錦を飾る凱旋しかない。
もう一つは、家族で今迄の非礼を詫び、信仰心を持って毎日礼拝する方法である。

家族で協議の結果、毎日礼拝する事で決まり。

後は、愚僧の仕事である。
怒り狂う眷属を横に、直接、稲荷神にご挨拶して、稲荷神の了解を頂き一件落着です。

皆さんの周りは、大丈夫ですか?
敬う心なくして、仏像や神棚を祀るのは良くありません。

正しい、知識と経験を積むことが重要ではないでしょうか?

南無大師遍照金剛
金剛合掌

by kongousan-akafudo | 2015-06-14 20:00 | 赤不動明王院通信
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