私の弟子が書いた、妄想についての、レポートである。
70年前、日本は敗戦国になると共に戦勝国であるアメリカによる占領統治下におかれました。 アメリカが敗戦国である日本を占領統治下していく上で最も恐れていたのは、日本人の精神性ではないだろうか。 古来、日本人は農耕民族であり、自然現象のみならず、ありとあらゆるものに対して畏敬の念、感謝の気持ち、もったいないと思う謙虚さ、身の丈に合った生き方を貫き、生きていく上で最低限のものを互いに譲り合って生きてきた。 それにより、物質に囚われない形のないものである思いを尊び、潔さ、信念、尊敬の念等に重きを置いてきた。 しかし、これら日本人の有する形のないものほど物質主義であるアメリカにしてみれば、恐ろしいものはない。 この形のないものを監視下に置くためには、古来から敗戦に至るまでの日本を否定しなければならない。 否定するためには、どうすべきか。 日本の思想自体が戦争、敗戦に結びつけ、それ自体が平和とは相容れないもののように教育していったのではないだろうか。 戦勝国となったアメリカ的思想こそが平和の象徴であり、物質主義、完璧主義、能力至上主義、競争社会こそが豊かな生活を手に入れる最善の方法であるかのように時間をかけ、日本人に刷り込んでいき、現在に至っている。 私が幼い頃、テレビで放送されていたアメリカのドラマには、当時、日本では高くて手が出せないような物が溢れ、食べたことがないような食べ物が溢れ、お金さえあれば欲しいものが手に入り、豊かな生活ができ、幸せになれるように思え、アメリカの生活が憧れであり、夢であった。 高度経済成長があり、偏差値教育を勝ち抜いて一流企業に入り、競争社会を勝ち抜くことが親孝行であり、幸せへの王道だと教えられた。 しかし、現在、人間が管理下に置き、予報できると傲慢にも思い込んでいた自然の脅威に曝され、安全安心と声高々に唱われた原子力発電により、生命を脅かされている。 未だに福島の原発問題は根本的な解決に至っていないにも関わらず、他の原発が再稼働しようとしている。 原発が一度問題化すると人は責任を擦り付け合うが、原発により地元民も恩恵を受けていたのも事実である。 要は、身の丈に合った生き方をしていれば、余計なものを必要とはしない。 本当の豊かさとは何だろうか。 お金はないよりあった方がいいが、必要以上のお金は人を狂わせる。 満たされ過ぎた生活をしていると、人本来の感性が鈍くなる。 人が生きていく上で、幸せだと思えるためには、何が本当に必要で、何が不必要なのか見極める力が必要とされてきていると思慮する。 ■金剛山赤不動明王院■
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by kongousan-akafudo
| 2015-07-20 20:00
| 赤不動明王院通信
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