施餓鬼とは、本来サンスクリット語であります。
古代中国で訳経され、日本には弘法大師空海が渡来し、密教僧の手により修されたのが始まりです。
現在は、真宗を除く各宗派で盂蘭盆会として修されておりますが、本来は、常時修されるのが施餓鬼供養です。
地獄に堕ちた亡者は餓鬼となり、食べようとすれば炎に変わり、また、水を飲もうとすれば溶岩に変わり、何も口にする事は出来ず、あのような浅ましい姿と成り、地獄を這いずり、飢えと渇きに苛まれ苦しみ喘ぐ。
餓鬼に供物を与えて改心させ、再度人間に生まれ変わらせ、修行させる為に行うのが施餓鬼供養会なのです。
当院では、秋彼岸供養会を、9月19日〜25日まで行います。
先祖の回向《追善供養》には、施餓鬼供養が一番良いとされております。
今回の供養にも、施餓鬼供養を行います。
先祖の居ない方は存在しません。
私の家は、分家なので。
仏壇が無いので。
本家が行っているので。
などと、言われる方がおられます。
では、あなたは、誰なのでしょうか?
供養する心に、本家も分家も、仏壇の有無も関係ありません。
大切なのは、心なのです。
感謝の心は、千里の道を瞬時に駆け、彼岸に到ります。
生きる事に、感謝。
生かされている事に、感謝。
今ある事に、感謝。
今日ある事に、感謝。
全てに、感謝が出来る様に成った時、本当の彼岸が実感出来るのです。
あなたも、秋彼岸の一時、感謝を込めては、如何でしようか。
南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院 院主 永作優三輝