しかし原因は、全て、こちら側なのが現状であり、今も各地で繰り返されている。
青年だが信仰心の欠片も無い男である。
そんなAが母親に連れられ、私の元に来た。
母親は、御本尊様に信仰心を向ける善良な方である。
母親の頼みで、私がAを霊視すると、古い社が視えた。
社の中には、古い仏像が安置されている。
この祟り神は、昔、我が子を失った親達が、子供を殺した魔物封じの為に、安置した物であり、かなり想いが籠っている。
それは親方と一緒に、ある古民家のリホームに来て、たまたま隣が社であったのである。
親方と一緒に仕事をしている時、尿意をもよおし、社に放尿したのである。
しかし馬鹿者がもう一人…親方である。
Aは、素行は悪いが、母親思いの青年である。
それを視て、今回の祈祷を引き受けたのですが、本来ならキッパリ断わる事案である。
しかしこのままにしておけば、Aの命は無い。
本人は、どうなろうとも自業自得である。
しかし母親の頼みを、断われない。
私にも、子供はいる。
母親の気持ちが解る私は、霊符を用意して、親子にこう告げた。
「今日から3日の間、家から一歩も出てはいけない」と。
しかしAは、母親の眼をかすめて、その夜遊びに出たまま行方不明である。
まさに、必然である。
南無大日大聖不動明王尊