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密教686 天蓋

密教では天蓋は不可欠な仏具ですが、高価でなかなか入手困難であります。
しかし日本人の叡智は、困難を乗り越えて可能にして来ました。
その結果とは紙天蓋です。

天蓋
天に懸(か)けられた蓋(がい)の意で、仏像や導師の上にかざす装飾的な覆いをいう。古来からインドでは強い日射しを避けるため、貴人の外出にはつねに傘蓋(さんがい)で覆う習慣があり、これが仏教の荘厳具(しょうごんぐ)として用いられるに至ったとみられる。
初期経文には、宝華(ほうげ)や光明(こうみょう)が化して蓋となると説き、仏の白毫(びゃくごう)が七宝の大蓋と化して天を覆ったと記されている。
蓮華(れんげ)をかたどる天蓋は古いものに多く、インドの無仏像時代から中国に至るまで数多く存在するが、のちに、しだいに方形、六角、八角、円形などで表現されてくる。
その多くは蓋の周辺に宝散を垂れ、片隅に幡(ばん)を懸け、華、宝綱、宝珠、瓔珞(ようらく)、鈴などで飾ったものや、天人、霊鳥などを彫刻したものがある。
日本に現存する有名なものに平等院鳳凰堂(ほうおうどう)の阿弥陀仏(あみだぶつ)天蓋、東寺(教王護国寺)の不動明王像の蓮弁(れんべん)木造天蓋(ともに国宝)、法隆寺金堂の釈迦(しゃか)三尊や阿弥陀仏の天蓋などがある。
後世、寺院の礼盤(らいばん)の天井にもこれを懸け、阿闍梨(あじゃり)を覆う人天蓋と、諸尊を覆う仏天蓋とを区別している。[江口正尊]
日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


紙天蓋とは、一枚の紙に切れ目を入れ制作した逸品のことです。
一枚の紙に切れ目と折りを加え、切り離される事無く一枚で見事な天蓋が出来上がります。
私も天蓋が買え無い時代、長きに渡り紙天蓋を愛用して来ました。



そして、御幣。
精魂込めて刻みあげた御幣は、魂の憑代です《憑代、よりしろ》

その昔、紙は貴重品でしたが、木像、鋳造仏は武家や貴族しか持てない高価で貴重な物でした。

その頃に出現したのが、紙に依る細工であります。
そしていつの日か、御幣、紙天蓋と発展を遂げて来たのです。

現在では、誰でも入手可能な仏像、仏具。
いつの日か、紙天蓋や御幣の需要は無くなり現在に至ります。

当院では、忘れ掛けられた文化に焦点を当て、現在、弟子を中心に指導中です。

日本には、紙を使った芸術文化が各地に伝承されております。
日本人の繊細な感性が育んだ文化と言えましょう。

伝承を護り、受け継がれた紙の芸術は世界に冠たるものであると私は考えます。
私は、今後もこの文化の掘り起こしに尽力して行く所存であります。

南無大日大聖不動明王尊
蓮華合掌
金剛山赤不動明王院 院主永作優三輝


by kongousan-akafudo | 2017-10-27 06:00 | 赤不動明王院通信
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