私は今回、大変な依頼を引き受ける事になりました。 地方の、名家に纏わる話しであります。 その家では、代々長男が怪死、変死し、家は婿養子を取って存続してきたそうです。 今回、その因縁を断ち切りたいとの依頼で御座いました。 如何して、私の元に依頼が来たか? それは、町の神主や僧侶に依頼したが全て断られ、周り巡って私の元に来た依頼でありました。 私は、慎重を期す為に町に調査に行く事にしたのです。 後々この調査が、私を救うことになる… 私は、町の長老、神主、住職に昔の話を聞いて廻った… すると、私の霊査と同じく、ある事件が判明しました。 それは、江戸時代に行われていた人柱や人身御供であり、生贄儀式であります。 生贄儀式とは、村が疫病や凶作に見舞われた時、荒神に若い娘を人身御供として、池や湖に生きたまま沈める生贄儀式の事である。 酷い時には、年間に何人も、生贄を捧げる事がありました。 私が調べて解った事は、人身御供として白羽の矢が依頼主の家に立ったにも関わらず、自分の家からは人身御供を出さず、貧乏農家の娘を身代わりに出させ、嫌がる娘を無理矢理に沈めた事でした。 以下は、私の霊査結果であります。 娘には結婚を誓いあった男がおり、結婚直前の事でした。 娘は、愛する男と引き裂かれ、怨みを持ったまま沈められました。 男は、悲嘆に暮れ、病死… 女は、今も怨みをその家に向けております。 私は全ての調査を終えて一旦帰宅し、慰霊の準備をする事にしました。 帰宅し、21日間行に入り、調査から一か月後、現地で祈祷開始である。 護摩壇を設え、法会であります。 風もなく穏やかな日和に天に感謝して開始すると、新事実が浮かび上がって来た。 実は男性は、依頼主の先祖に職を奪われ、悲嘆の内に餓死していたのです。 私は、慰霊と結縁を同時に行なうことにしました。 前回の調査が無ければ、用意不足で法会も失敗するところでありました。 やはり、今回の様な事例は、事前の調査が重要だとつくづく思った瞬間でした。 もし、事前の調査なしに決行していれば、間違いなく失敗。 失敗すれば、間違いなく私も被り、今こうしてブログを書いてはいられない状況になっている事だろう。 その後、二人は夫婦になり、今世に於いてやり残した事を霊界で履修する為に、再生に向けて順番を待っている。 願わくば、来世の二人に、慈愛のお計らいがある事を。 名家の方は私の申し出を護り、持仏堂を建立して、今は若き長男が元気に育っております。 人は皆平等であり、本来は上も下もないのです。 天は、人の下に人を作らず、人の上に人を作らず… 皆、御仏の前では平等なのです。 蓮華合掌 金剛山赤不動明王院 院主 永作優三輝
by kongousan-akafudo
| 2016-04-03 06:00
| 赤不動明王院通信
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院主 永作優三輝 経歴
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