《仮名》五色の御守りは古来より存在致しますが、厳修する密教僧は少ないです。
それは、材料が特殊で入手困難であり、高価な物を必要とするからなのです。
それに加え、行者の力量も問われるのであります。
私は今日、材料の調達をします。
それは、五色の御守の依頼があったからで御座います。
昨夜から各方面に打診し、ようやく入手できる事に成ったのであります。
かなり高価な材料なのです。
花屋さんに華を注文し、供物を揃え、揃えた材料を浄め、加持祈祷し、開眼するのであります。
仏像の開眼供養より、大変な用意が必要です。
幾日も加持を繰り返し、行うので御座います。
効果の程は、持つ者に取って最良な結果をもたらします。
以前に、依頼を受けて厳修した時に、お受けに成られた方は、最初は効果が現れなかったと思いきや、それは御本尊様のお計らいだったのです。
今では、その御守りを家宝として御祀りされて居るほど、大切にされて居られます。
御本尊様のお計らいとは、急げば良い結果が出無いと判断された時は結果を急ぎません。
如何して、そうなるか?
全ては、回転する物なのであるからです。
回転に合わせた動きが最も自然であり、無理が無い分、永続が可能になるのです。
現代は何かにつけスピードを要求しますが、急ぎの仕事は必ず何処に歪みを生じます。
回転に合わせた動きが最も自然であり、無理が無い分、永続が可能になるのです。
南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
赤不動院 院主 永作優三輝
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