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密教58 中古の仏像、仏具②

最近、中古の仏像を買ってトラブルを招く事例が急増しております。
今はネット成るもので安価で購入できるのも、要因の一つと思われます。

私の寺では、信徒様に頼まれて自仏像の撥遣から開眼を謹修しますが、10分や20分で出来るものでは御座いません。

まずは、お預かりしてから浄化供養を幾日も行い、それから開眼供養が通例です。
遠隔の場合は、かなりの力と準備が必要になります。

遠隔での撥遣、開眼法は、模倣を避ける為に書きませんが、簡単には出来ないのが事実であります。
簡単に出来る物には、落とし穴がある事を知る事が大切です。

一例を挙げますと、以前、遠隔での仏像の撥遣作法の依頼がありました。

菩薩像二体で御座います。
映像を観た時、これは大変な事に成ると察知して、持ち主にその事を告げると、仏像は博物館に貸し出して居るが、売却するので自家に障りが無い様に祈祷して欲しいとのことです。

私は、全てを話しました。

二体の仏像は、その家に代々伝わる護り本尊仏で、凄い力を有していらっしゃるのです。
もし金銭目的で売却するのなら止めた方が良いと言うと、他の寺に依頼すると言うので、私はどうぞご勝手にと手を引きました。
すると、近所の寺では簡単に出来ると言うので、それではそちらでお願いして下さいと辞退したのです。

それから暫くして、一本の電話で驚愕の事実を知る事になりました。

二体の仏像を有する家が離散した。と云うではありませんか。

内容は、次の通りであります。

私に断わられた旧家の主人は、屋敷に寺の住職を呼び、二体の仏像の撥遣をさせたそうです。
そして、その場で骨董商に、多額な代金と引き替えに二体の仏像を譲渡したとの事。
その後すぐに家業が倒産し、家族は離散。
行方不明となったそうです。

二体の仏像は、私が霊視した時には怒り心頭に達していらっしゃったので、はっきりと、手放す為の祈祷は出来ない。と、伝えたのです。
が、その後、金欲しさに遣って仕舞ったのであります。

あの二体の仏像は護り本尊であり、先祖代々受け継がれて行かなければいけない本尊仏だったのです。
二体の仏像を買った骨董商も事故で亡くなり、二体の仏像は何処に行ったのか解りません。
あの二体の仏像は、他の人では扱えない大変難しい仏像であり、もし他の者が手にすれば完全に被ります。

昨今の仏像ブームに伴い、密教法具、仏具が中古で売られて居ますが、中古は以前の持ち主のオーラがビッシリと付着して居ます。
以前の持ち主の情報も無く購入する事は、危険です。

中古は、出来るだけ手を出してはいけません。
如何しても欲しい時は、しかるべき阿闍梨に相談して下さい。

知識が無い者に相談しても無駄です。

中古を買ってリスクを背負うより、高くとも新しい物を購入する事が賢明なのです。


南無大日大聖不動明王尊
金剛合掌
赤不動院 院主 永作優三輝



by kongousan-akafudo | 2015-12-19 06:00 | 赤不動明王院通信
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